パチスロ必勝ガイドNEO 連載コラム
 本のソムリエ団長のお宝雑誌編集部探訪
      今月の編集部:
   『蕎麦春秋』(リベラルタイム出版社)
'07/07

   「団長さん、困ったことになりました…」とNEO編集部のS氏が深刻な表情で資料を目の前に積み始めました。その様子があまりに暗いので声をかけかねていると「まいりました。面白そうな雑誌がありすぎるんです。何か希望はありませんか?」と一転してニヤけ顔のS氏。やられたー! S氏の猿芝居に若干動揺しながらも、僕は山積みの資料を1枚1枚めくっていきました。そして絶叫!「むむ、こ、これは!!」
 …ということで5月某日、都内某所。連休の余韻がかすかに残るお昼時、やや興奮気味の僕とS氏はさっそうと降り立ちました。今回選んだ雑誌は4月24日に創刊になったばかりの季刊誌『蕎麦(そば)春秋』! その名のごとく、蕎麦の専門誌です。グルメ雑誌は多々あれど、単品、しかも蕎麦だけに特化した雑誌は今までなかったのではないでしょうか。さまざまな興味とともに、蕎麦だけで本当に雑誌が成り立つのだろうか、との余計なお世話まで抱えて編集部のドアをノックしました。
 好奇心いっぱいの僕らを迎えてくれたのは、素敵な女性編集者の佐藤さんと中村さん、そして蕎麦の世界にこの人あり!という名物編集長の四方さんです。元サンデー毎日編集長であり、月刊『めん』(日麺連機関誌)編集長も務め、東京そばの会も主宰。蕎麦の本づくりに関しては右に出る者がいない、まさにプロ中のプロです。雑誌も創刊から好評で、品切れが続出して増刷している最中とのこと。それだけ人気ということは、ラーメンマニアのごとく、蕎麦マニアもたくさん存在するのかも、と気になるところですが、「本誌の読者は、生産農家、製粉所、蕎麦屋、蕎麦を食べる人、趣味で蕎麦打ちする人、と蕎麦に関係する全ての人たちです」と四方編集長。なるほど、雑誌の内容は蕎麦職人のインタビューから蕎麦めぐりの旅、蕎麦打ちのコツなど、多岐に渡って興味深いものばかり。でも、一体なぜ今蕎麦の雑誌を?と素朴な疑問をぶつけてみたところ、「蕎麦は最高の健康食品。日本人の健康や食生活を考える上で、今こそ蕎麦を見直すチャンス。もっとたくさんの人に食べてもらいたい。そして、蕎麦という切り口で、日本の食や暮らし、文化を考えてみるのも面白いのでは」とのこと。へぇ〜、そういうモノの見方もあったのか!と思わず感激!
 意外だったのは、実は蕎麦は世界的な食べ物ということ。欧米やロシア、中国などでも広く食べられているようです。といっても、麺をすすって食べているわけではなく、パンのような主食、だんご、クレープに使われているとのこと。麺にしてお箸で食べるのは日本独特の文化ですね。
 ちなみに、今日本では年間12万トンの蕎麦を食べていますが、国産は2万トンだけで、残りは輸入。「1つの町に蕎麦屋が20以上も集まっている“そばどころ”も各地で増えている。栽培も比較的簡単だし、今後もっと国産が増えてほしい」と四方編集長は語っています。
  興味深い話をたくさん聞いて、蕎麦が食べたくてたまらなくなったところで、今度は蕎麦屋探訪! やってきたのは銀座・長寿庵。「鴨せいろ」で有名な名物店です。注文したのは、もちろん鴨せいろ。ハイルチンたっぷりの緑がかった細麺と鴨のコンビネーションが何とも言えず美味しい! すっかり蕎麦に夢中です(笑)。食事中も「蕎麦は本当に奥が深い。こんなにうんちくが語れるものはない。蕎麦への敬意も込めて雑誌の背には“日本蕎麦党宣言”と入れたんですよ」と熱い想いを語る四方編集長。蕎麦を通じて日本が見えてくる、そんな新感覚の雑誌『蕎麦春秋』。蕎麦好きな方もそうでない人も今こそチェックしてみてください。
 さて、来月の探訪は一体どこに!?


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