本のソムリエ・団長プロデュース 「マンスリー読書フェア」
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本のソムリエでロックンローラーが聞く! 楽しいトークショウで、読書が好きになる!

団長プロデュース 月刊読書イベント 第二回 「メイク」レポート

3月7日午後7時〜8時
渋谷 大盛堂書店

なにやら、知的美女が多い今回のトーク会場。紹介の後に、さっそうと登場したのは、黒のキャスケットにレインボウ・サングラスでばっちり決めた団長である。3月のファッションポイントはアフリカみやげの青いプリントネクタイということで、その大胆象柄を胸元から取り出してみなさまに披露し、会場にはイッキに「本のソムリエの団長って、かなり、おもしろい象」との空気が満たされた。

月刊読書イベント、第二回のテーマは「敬語」。この日のゲストは元テレビ朝日アナウンサーの渡辺由佳(わたなべゆか/最新著作に「スラスラ話せる敬語入門」1365円 かんき出版/話し方・ビジネスマナー講師)さん。冒頭の自己紹介でみせた、優雅なおじぎの仕方に、「おお、さすがに元女子アナは、ちがう!」という一同の感激のもと、「美しいおじぎ」指導からの幕開けとなった。声もおだやかで、耳に心地よく、さすがに人前で話慣れているので、笑顔に余裕があり、カメラ目線で鍛錬されたアイコンタクトの取り方もコミュニケーションの勉強になる。

アナウンサー時代に、叩き込まれた敬語使いの重要ポイントは、意外やハウツーではなく視聴者(相手)を常に意識することだったという。なるほど、敬語は相手があってこそのもの。視聴者にとって自然な敬語は、テレビでの紹介人物に敬語を使い過ぎないこと。天皇の連続行動でも、敬語は最後にひとつで充分だそう。「天皇ご一家は、皇居を出発し(され、ではなく)、那須に向かわれた」が、正解。普段使いでも、敬意を示そうとするあまりの敬語の連発は、へりくだり過ぎの印象やクドサが目立ち、間違いも多くなるので、避けるのが原則ということだった。

敬語は、相手に自分の敬意を伝えようとするコミュニケーションであり、基本的には、ていねいに話たい時、目上の人や初めて出会った人との間で使う言葉。こういったシーンでの間違いやすい具体例をあげては、渡辺さんは「みなさん、団長さん、いかがですか? 違和感ありませんか?」と常に参加者に注意を払いながら、それらの正解例などを、わかりやすく説明していった。


例えば「来る」の尊敬語。来られる、いらっしゃる、お超しになられる、と敬意があがっていくが、これは相手の関係や立場などの段階によって、使い分けが必要。 『先輩なら「来られる」でもいいが、「お越しになられる」のは、やっぱり社長さんか会長さんですよね』など、実感を伴うトークに団長も納得。ちなみに、大人社会世界では、おもしろそうなイベントに「私も一緒に行きたい〜」は「ぜひ、私も、今度お供させていただけませんでしょうか?」がおすすめ敬語だということ。

尊敬語、丁寧語、謙譲語、美化語。やっかいそうな敬語だが、キチンと使えば相手は気持ちよくなり、話す当人の品もあがるというもの。出会いの季節を前に、「大人の会話レベルを敬語で引き上げたいな」と知性に目覚めたトークタイムだった。

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レポート 平田恵子さん (コピーライター、『感じるバリ島から』著者)