本のソムリエ・団長プロデュース 「マンスリー読書フェア」
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本のソムリエでロックンローラーが聞く! 楽しいトークショウで、読書が好きになる!

団長プロデュース 月刊読書イベント 第一回 「恋愛」レポート

2月9日午後7時〜8時
渋谷 大盛堂書店

団長といえば、トーク以上に楽しみなのが、ひと目でその場を盛り上げる衣装である。初回のテーマ「恋愛」にマッチする衣装とは? お〜、ピンク系レゲエ帽子に、虹色サングラス、臙脂色のジャケットにドットのタイでの登場であった。「いや〜、今日は衣装を忘れちゃって、これでも地味なんですよ」「うそっ〜」「ほんとです!」の掛け合いの中、イベントは賑やかに幕を開けた。

第1回めのゲストは、羽林由鶴(はねはやしゆず)さん。最新著作は「やせずに幸せモテ女」(1260円/主婦の友社)太め女性恋愛応援カウンセラー。で、ご自身の体重も公称103キロ、13歳年下の彼と結婚して幸せな日々を過ごしておられるとのこと。(そんなのあり〜?的な雰囲気に、いえ、本人が証明なのですね)団長が作家を紹介するや、もう質問の手があちこちから揚がるという白熱の模様である。「ご主人とは、どこで出会われたのですか?」「はい、今の主人とは〜〜」と、明るい声と、テンポのよい話運びでどんどんとモテ女の本質に迫るキーポイントが解きあかされていった。容姿コンプレックスを乗り越えた末に確信されたという話には、参加者をうならせるに十分な説得力があるのだった。

イベントは団長と由鶴さんのトークを軸に、ときに作家が団長に恋愛質問をびしばし切り込んでいく緊張場面もあったりで、笑いが絶えないリラックスした雰囲気。メインの話は「もて女になる恋愛のコツ」でもあるが、誰ものもでもない人生を、楽しく充実してすごす人生哲学でもあった。

「太っていようがやせていようが、関係ない。人はそのままでも、すばらしい。誰だって、自己を否定する人生はつらいもので、それは自分をこうでなくてはならないという考えで縛っているから。その考えを変えて、自分が楽しく、しあわせに生きることを大切に、明るく楽しく生きていると自然と人が寄ってきて、もてちゃうのですよ」ということだった。

つまり、「これができない、あれを変えなくてはならない(そうしないともてない)」と自己否定や自己憐憫に浸かっていて、暗い顔をしていても、日々おもしろいはずもなく、何も生まれはしないということ。今の自分を認めて、変えたいなら楽しみながらやっていくのが幸せな人生を生きることに直接つながるという、簡単そうでいて次元の高い幸福論の奥義を伺ったのだった。

「変えなくちゃいけない人生なんて、悲しいでしょ」とおおらかに語る彼女の笑顔に「ほんとにそうだ」と胸を打たれる人で、会場はちょっとどよめいた。
自著のほかにも、幸せであることを自覚するヒント本や自己肯定のヒントとなる参考本の紹介などもあり、かなり密度の濃い渋谷「恋愛」テーマナイトとなった。

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レポート 平田恵子さん (コピーライター、『感じるバリ島から』著者)